修士号取得後の研究職は難しい?成功の戦略6つのポイントを解説

本記事想定者

  • 修士卒の研究職は難しい?
  • 修士卒でも狭き門 ”研究職” に就くためのアドバイスが欲しい。

本記事はこういったお悩みを解決します。

結論、修士卒でも研究職に就くことが可能です。理系の修士号卒は就職率が高く、その多くは研究職や専門職が多いという実状が理由です。実際に私は現在、修士卒で研究職として働いています。

一方で、修士卒で研究職に就くことに難しさはある上、意識すべきポイントがあります。本記事では、私の実体験も含め修士卒で研究職に就くためのポイントとアドバイスについて解説していきます。

この記事を書いている人

  • バイオ系大学修士卒
  • インターンに10社以上参加
  • 社会人1年目
  • 現職:研究職
目次

修士卒の研究職は難しい?【結論、可能です】

結論、修士卒で研究職に就くことは十分に可能です。企業や研究機関が高度な専門知識と実践的なスキルを持つ修士号取得者を積極的に採用しています。

修士号取得者・就職率は90%を超える!その多くが研究職・専門職

日本の文部科学省のデータによれば、修士号取得者の就職率は90%以上に達しており、その多くが研究職や専門職に就いています。さらに、企業の中には博士号よりも修士号を持つ人材を求める傾向があり、これは修士号取得者の柔軟性や実務経験が評価されているからです。

これら文部科学省のデータは修士号取得者が研究職に就くことは決して難しくないことを示しています。

ただし私の経験上、修士卒で研究職に就くためには意識するポイントはいくつかあります。具体的には以下の通り。

【私の実体験】研究職に就くために意識した6つのポイント

  • 自己分析
  • 働き方の選択
  • 企業・業界研究
  • インターンシップ参加を通じて自己成長
  • 自身の研究内容・スキルと企業のマッチ度
  • 視野を広げて就職活動を行う【研究職だけはNG!】

① 自己分析

就職活動の大前提でもありますが、まず自己分析が重要です。自己分析を通じて、ご自身の強み・弱みをあらかじめ明確にし、本選考の対策をしましょう。例えば、研究職に就きたい理系学生の場合の明確にするポイントは以下の通り。

  • ご自身の強み・弱み
  • なぜ理系を選択したのか
  • 進学した(修士号取得を目指した)理由
  • 将来の夢・目指したいキャリアプラン etc…

まずは自己分析を通じて、ご自身の”就活に対する軸”を定めましょう。定まっていないと、働きたい企業・業界が明確にならないので重要です。

② 働き方の選択

例えば、「”正社員”として長期で働く or ”派遣就業” として短期就業を繰り返す」などです。

理系の研究職を目指す場合、一般的にメーカーの正社員就業を視野に入れる方が多いかも知れませんが、「派遣型研究職」という選択をとることも可能です。

私は、”派遣就業”で研究職として働いています。私が感じるこの働き方の魅力は以下の通りです。

派遣型研究職を選択するメリット

  • 実状:メーカーの研究職は狭き門
  • ”正社員”型派遣研究職もある
  • 働き方を柔軟に変えることが可能
  • 研究職として様々な分野で活躍可能
  • 働きながらキャリアプランを考えることが可能

③ 企業・業界研究

企業・業界研究もかなり大事です。なぜなら、就活はあなたと企業のマッチングだからです。企業・業界が求めるスキルや能力をしっかり把握し、それにアプローチする形でご自身の強みやスキルをアピールすることが就活成功の鍵となります。

企業研究・業界研究のやり方は以下のツールを使用しましょう。

  • 企業のホームページ
  • マイナビ・リクナビ・キャリスタ
  • 四季報 etc…

「就活=恋愛」と捉える方もいるように、相手(企業)にとって好みな(求めるスキル持っているような)人物像になることが大事です。

④ インターンシップ参加を通じて自己成長

私は自己分析を通して認識した ”自身の弱み” を本選考までに改善するように意識するようしました。そのために活用したのが「インターンシップ」です。

インターンシップでは普段の学生生活では得られない経験、例えば「GD(グループディスカッション)」や「仕事体験」、「社会人の方との触れ合い」、が得られます。

私はGDにおける立ち振る舞い方や積極性の欠如を感じ、インターンシップを通じて場数を踏むことで改善を試みました。

この活動により、本選考やGDではあまり緊張もせず落ち着いて振る舞うことができました。ぜひインターンシップを自己成長の場、予行練習の場として活用しましょう。

⑤ 自身の研究内容・スキルと企業のマッチ度

先ほども述べましたが、自身の研究内容・スキルと企業とのマッチ度を意識することは就活において重要です。企業が求める人物でないともちろん採用してくれないからです。

恋愛で考えるとわかりやすいですが、目の前にいる方があなたの好きなタイプの方でなかった場合、付き合うまでに発展しないのと同じです。

企業とのマッチ度を意識する上で考慮するポイント

  • 企業理念にあなたが共感できるか
  • 企業が求める人間性とのマッチ度
  • 企業が求める技術的スキルとのマッチ度
  • 働く環境・働き方・給与はあなたの水準にあっているか

まずあなた自身がその企業に入りたいかどうかは考えると良いと思います。次のステップとして、どうしたら企業が私を採用してくれるかを考慮しましょう。

⑥ 視野を広げて就職活動を行う【研究職だけはNG!】

「研究職」に絞って企業探しは避けましょう。経験上、研究職は競争率が高く、採用枠が少ない からです。
※メーカー研究職に限る、派遣型は採用枠が多い傾向。

また研究職に限らず、職種を絞らず就活を行うメリットはたくさんあります。具体的には以下の通り。

  • 他の業界・職種を知れる
  • 他業界・職種と研究職の比較ができる
  • 新たな自分好みな企業に出会える(視野が広がる)

社内風土や環境は、選考に臨むからこそわかることも多いです。例えば、「面接をしてくださった人事の方の雰囲気が良い」「座談会に参加されていた方々が温かい方ばかりだった。」などです・

働く上で「一緒に働く方がどんな方が多いか」これは重要だと思います。私は社内風土や環境を一番に重要視視していたので、様々な業界・企業を見れたことはすごく良かったと感じます。

修士学生が研究職に就くための選考突破策具体的な戦略】

  • 修士論文・研究に全力で取り組む
  • 「研究概要書」に力を入れる→【小学生でもわかる!を意識】
  • 「教授や先輩」「異分野の方」からのフィードバックをもらう
  • 企業ごとにアピールポイントを柔軟に変える

① 修士論文・研究に全力で取り組む

まず前提として、目の前の修士論文・研究活動を全力で取り組みましょう。理系・修士学生は特に「専門性・技術スキル」での評価を受けやすいため、研究活動を通じてしっかりそれらを伸ばしていく必要があります。

修士号取得を目指す学生の就活の時期は、修士論文・研究の過程の時期にすぎません。その中で就活と研究をうまく両立できる人が強いです。

② 「研究概要書」に力を入れる→【小学生でもわかる!を意識】

修士号取得を目指す学生が研究職を目指す上で、「研究概要書」作成は避けて通れません。書き方については、以下のような工夫が必要です。

<NGポイント>

  • 専門的すぎる
  • 文章を多用する

<意識するポイント>

  • 図を多用し視覚的にわかりやする
  • 小学生でもわかる表現を用いる
  • 具体例を多用する

– 例文 –
「〇〇のリン酸化修飾」について研究しています。リン酸化修飾は、タンパク質機能の調節や細胞全体のシグナル伝達において主要なメカニズムを担っています。イメージとして電気をつけるためのスイッチのようなもので、「リン酸化修飾を受ける=〇〇の電気がつく」といった感じです。

黄色マーカーは説明文ですがそれだけではわからないですよね。なので日常的な例え(赤背景部)を組み込むことで誰でもわかりやすい文章になります。

③ 「教授や先輩」「異分野の方」からのフィードバックをもらう

フィードバックは「教授もしくは先輩」に加え「異分野の方」からももらいましょう。前者は “研究内容”のチェック、後者は ”わかるかどうか” のチェックをしてもらうためです。

  • 「教授もしくは先輩」→ 研究内容が間違ってないか確認
  • 「異分野の方」→ わかるか、理解できるかどうかの確認

「異分野の方」は、母親や文系の友達などが挙げられます。ぜひ研究概要書を読んでもらいフィードバックしてもらいましょう。

④ 企業ごとにアピールポイントを柔軟に変える

企業ごとにアピールポイントを柔軟に変えることも重要です。なぜなら、企業ごとに求めるスキル・能力が異なるからです。

  • 企業Aが求める人物像:「挑戦心が豊かな人」
  • 企業Bが求める人物像:「即戦力となる人」

例えば、上記A、Bに対しては以下のようにアプローチを変える必要があります。

企業A

  • 人間性のアピール
  • 技術面のアピール

企業B

  • 人間性アピール
  • 技術面のアピール

書類には文字数、面接には時間が限られているため、その中で何を一番にアピールするかを企業ごとに柔軟に変えられることができると選考突破率は高まります。

【アドバイス】研究職以外のキャリアパスも考えておこう

研究職以外のキャリアパスの紹介(例:産業研究、コンサルティング、教育など)。

経験上、研究職にこだわらず他のキャリアパスを考えることも重要です。理系研究職は競争率が高く、企業側もニッチな専門領域を求める場合があるからです。

また研究で培った能力、例えば論文朗読を通じて自ら解決策を見出し行動する「PDCAサイクルを回す力」や修士論文を書くうえで必要な「論理的思考力」などは他の職種でもいかせます。

実際に私は研究職他、理系の出版会社やWebメディア系の企業にもチャレンジして選考を受けました。

修士号取得を目指す学生は、研究職のみならずその他職種にチャレンジできる能力を持っています。気になる職業は積極的に挑戦していきましょう。

まとめ:修士の方こそ研究職を目指すべき!

本記事では「修士卒が研究職に就くのは難しいのか?」こういった悩みを抱える方向けの記事でしたが、修士の方こそ研究職を目指すべきです。これまでの研究室生活の中で培った専門的な技術や知識は、社会人で活かせる希少な能力は変わりありません。

研究職は狭き門ではありますが、本記事で述べたポイント・アドバイスを活かし戦略的に就職活動に臨むことであなたにとって幸せな環境を手に入れることができるはずです。ぜひ本記事のアドバイスを参考に研究職を目指してくださいね。

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