理系大学院進学が「当たり前」と言われる理由とは?

本記事想定者

  • 理系の学生や就活生が、大学院進学が一般的な進路なのかを確認したい。
  • 理系のキャリアパスにおいて、大学院進学がどのような影響を与えるか知りたい。
  • 自分の進路選択に迷い、大学院進学が「当たり前」であるべきかどうかを判断したい。

本記事はこういったお悩みを解決します。

結論として、理系の大学院進学率は3〜4割程度であり当たり前ではありません。データや世間の風潮にとらわれずご自身の判断のもと進学を決定することが重要です。

理系のキャリアパスにおいて、『大学院進学は当たり前』という意識が強いかもしれませんが、全ての人にとって大学院進学が最善の選択肢とは限りません。この記事では、理系で大学院に進学することが一般的とされる理由や、学部卒と大学院卒のキャリアパスの違い、そして自分にとって大学院が本当に必要かどうかを考えるためのポイントを探っていきます

この記事を書いている人

こつ ( X:@kotsublog )

  • バイオ系大学修士卒
  • 現職:研究職
  • 社会人1年目
目次

理系の大学院進学って当たり前?【事実:3~4割進学】

出典:https://www.mext.go.jp/content/1423020_012.pdf

結論、理系学生が大学院に進む割合は3~4割程度。上記データの通り、中でも理工系・工学系の進学が多くの割合を占めています。

つまり、大半の学部の半数以上の方は進学しておらず、理系学生が大学院に進学することは「当たり前」とは言えないでしょう。

大学院へ進学を決定するにあたり重要なのは、「当たり前 or 当たり前」ではなく「進学すべきか or すべきでないのか」ご自身で判断することです。

周囲のデータに惑わされす、ご自身の意思で決定されてくださいね。本記事ではその意思決定のサポートができればと思います。

  • 例) 進学すべきかどうかの判断基準

企業側が「研究職は大学院卒以上」を前提とする採用条件を設定している場合。この際は、大学院進学が有利と判断し進学を決断しましょう。

理系の大学院進学が「当たり前」とされる背景

日本の理系学部において、大学院進学率が高い理由の一つは、教育と研究の一体化が進んでいることにあります。

多くの大学では、学部生が研究室に所属し、早い段階から研究活動に触れる機会を提供しています。この流れの中で、学生はより高度な研究に興味を持ち、大学院進学を選択する傾向が強まります。

また、企業の多くが技術系の職種において大学院卒を優遇するため、就職の選択肢を広げる目的で進学を考える学生も多いです。これにより、大学院進学が当たり前という風潮が強くなっています。

例) 高度な専門性が求めれる業界は進学が鍵になる

高度な専門性を求める業界では、大学院進学がキャリアの鍵となります。たとえば、製薬業界では、新薬の開発や臨床試験に関わるため、分子生物学や化学の深い知識が不可欠です。

このため、修士号や博士号を持つ研究者が主に採用されます。また、ITや機械工学の分野でも、AIやロボティクスといった先端技術の開発において、大学院で習得した専門的なスキルが求められます。こうした業界では、大学院進学によってキャリアアップや専門分野での活躍が期待されるため、進学が推奨されるのです。

【比較】学部卒と大学院卒の違い

学部卒大学院卒
・2年早く実務経験を積める
・就職活動に割ける時間が多い
・専門分野に固執せず就職活動ができる
・専門性を高められる
・初任給が学部生より高い傾向
・研究活動と就職活動の両立が少し大変

学部卒と大学院卒では、得られるキャリアチャンスや待遇に明確な違いがあります。学部卒は主に技術者や一般職としての採用が多く、現場での実務を通して経験を積むことが一般的です。一方で、大学院卒は研究職や開発職、プロジェクトマネージャーなど、専門性を活かした職種に就くことが多く、初任給や昇進スピードも高い傾向があります。

”キャリアチャンス” や “待遇” の違い

学部卒と大学院卒では、”キャリアのスタート地点””待遇”が大きく異なります。

学部卒の場合、2年早く社会に出て実務経験を積むことができますが、初任給や待遇は一般的に大学院卒に比べて低めです。

一方、大学院卒は、高度な専門知識を持つことから、研究職や開発職、管理職候補として採用されることが多く、スタート時点での待遇や技術者としてのキャリアパスの広がりが期待されます

初任給は大学院卒の方が高い

厚生労働省が令和3年3月31日に公表(令和4年2月4日に訂正)した「令和2年賃金構造基本統計調査の概況」によれば、新規学卒者の学歴別賃金について、男女計で大学卒では約22.6万円、大学院修了者は約25.5万円でした。

参考リンク:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html

待遇の面では大学院卒の方が高いですが、2年早く社会人として働けるのが学部卒のメリットです。

実際の企業や職場での需要

企業や職場では、特に理系の分野で大学院卒の需要が高まっています。例えば、製薬業界や化学産業では、新技術や製品の開発において高度な専門知識を持つ人材が求められます。

ITやエンジニアリング分野でも、AIやビッグデータ、ロボティクスといった高度な分野での研究開発を推進するため、大学院卒が積極的に採用される傾向があります。

企業側が専門的なスキルや知識を重視する職種では、大学院卒が優遇されることが多く、長期的なキャリアアップにもつながるでしょう。

内部リンク案:「理系 学部 卒 意味 ない」や「理系 大学院 行 かず に 就職」に関連した記事のリンク挿入

【具体例】大学院進学が当たり前とされないケース

大学院進学が当たり前ではないケースも存在します。結論それは「実務経験が重視される分野」です。

例えば、IT業界のプログラマーやウェブデザイナー、製造業のラインエンジニアなどは、学部卒の早期就職が有利になる場合があります。

スタートアップや中小企業では、実務経験を積みながらスキルを伸ばすことが評価されるため、必ずしも大学院卒が求められないこともあります。個々の職種や企業文化によって、進学が必須でないケースも多いのです。

大学院進学を考えなくても良い職種【具体例】

  • 営業職
  • マーケティング
  • 経営コンサルタント など

例えば、営業職やマーケティング、経営コンサルタントなどは、”コミュニケーション能力”や”ビジネス経験”が重視されるため、学歴よりも実際の成果が求められます。大学院進学が必ずしも有利とは言えないこれらの分野では、早期就職や実践的な経験を積むことが重要です。

選択する職種によっては研究活動よりも長期インターンなどへの参加を通じて、実践的な経験を積むことが就活で有利に働く場合もあります。

内部リンク案:「大学院 行く べき でない 人」や「大学院 行く べき か 理系」に関する記事のリンク挿入

自分に合った進路選択のポイントとは?

自分に合った進路を選ぶためには、まず自身のキャリア目標や興味、強みを明確にすることが重要です。

自分が目指す業界や職種が、学部卒で十分なのか、専門性を深めるために大学院進学が必要なのかを慎重に検討しましょう。また、自分の性格やライフスタイルに合った働き方を考えることも大切です。

早く社会に出て実務経験を積みたいと考えるなら、学部卒での就職。研究や開発に興味があり、専門的な知識を深めたい場合は、大学院進学が適しているでしょう。

【経験談】大学院を選択する基準は〇〇

大学院に進学した僕の経験上、大学院を選択する大きな基準は「専門性・技術力を培たいか、またその必要性があるか」です。

その他含め具体的に以下のような思いがある方も、進学を考えても良いと思います。

  • 目指す職種が「研究職」(専門性を必要とするか)
  • 今取り組んでいる研究を生かして社会に出たいか
  • 目指したい職種・業界がまだ決まっておらずわからない
  • 学生生活の間に様々なことにやり残したことがある、経験値を積みたい

専門性を伸ばすほか、業界や職種が決まっていなかったり、「学生のうちに経験値をさらに積みたい」という思いなども進学の考慮点になるでしょう。

具体例:「学生のうちに経験値をさらに積みたい」という思い

  • 長期インターンに参加したい
  • 学業の合間でのバイトや副業を通じて新たなスキルを身につけたい
  • 学部で就活に取り組んだが、悔いが残り再挑戦して満足いくキャリアパスを歩みたい

など

僕の場合、大学院生活は研究活動を通じて専門性を高めつつ、個人的にブログ運営にも取り組みビジネススキルやライティングをスキルを高められる期間となりました。

経済的負担や時間の投資を考慮した意思決定方法

とはいえ、大学院進学は ”学費による経済的負担”、 “2年間という時間の投資”を考慮せざるを得ません。

例えば、学費や生活費を賄うための資金調達の検討や、進学によりキャリアスタート遅延の影響などを考慮する必要があります。そのため、自分の経済状況や時間的な余裕をしっかり見極め、冷静な意思決定を行うことが大切です。

【時代は転職時代】学部卒の就職後にキャリアを考えることも十分に可能!

経済的負担や時間の投資を考慮して、やむなく学部卒の就職を決断しようと考えている方、安心してください。終身雇用の時代は終わりつつあり、転職が一般化してきている時代でもあります。

「大学院への進学」「学部卒での就職」これらの選択は、あなたのキャリアの一歩にすぎません。僕もこのマインドを持っており、実際に転職も考えています。

内部リンク:「理系 転職」関連記事

まとめ:大学院進学が当たり前ではない。自分の意思で道を選択しよう!

「大学院進学が当たり前」と感じる中でも、自分自身の進路選択に勇気を持つことが重要です。周囲の影響や一般的な考え方に流されるのではなく、自分のキャリア目標やライフスタイルに合った選択をすることで、将来の後悔を防ぐことができます。

進学が最適であるかどうかは個々の状況によって異なるため、自分にとって本当に必要な選択肢を選ぶために、自己分析や情報収集を行いましょう。他人の期待に応えるのではなく、あくまで自分のキャリアを築くための勇気ある選択が求められます。

研究室の先輩やキャリアセンターの方などにも相談し、ご自身の満足いく選択をしてくださいね。僕の経験やアドバイスが欲しい方がいれば、 X:@kotsublog にてお気軽にDMください。

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