本記事想定者
- 回答の準備方法やポイントが知りたい。
- 理系の面接における技術的な質問の例とその意図が知りたい。
本記事はこういったお悩みを解決します。
面接は就活の重要なステップであり、特に理系の学生にとっては技術的な質問への対策が欠かせません。技術的な質問はあなたの専門知識や実践的な能力を評価するためのものであり、しっかりとした準備が必要です。
本記事では、理系学生が面接で遭遇する可能性のある技術的な質問例とその回答方法について詳しく解説します。
理系面接を実際に受けた際に私が受けたリアルな質問も届けていきます。
– この記事を書いている人–
- バイオ系大学修士卒
- 技術面接10社経験
- 社会人1年目
- 現職:研究職
1. 面接における技術質問の重要性
技術質問の目的と意図
- 応募者が専門分野の知識をどれだけ深く理解しているか
- 実際に業務で応用できるかを評価する
技術質問の主な目的は、上記2点です。
面接官は、応募者が学んだ理論や知識を実際の問題解決にどう活かすかを見極めようとします。
例えば、機械工学の学生に対しては、材料力学の基礎を問う質問をすることで、基本的な知識が身についているか、実務で応用可能かを判断します。このような質問は、単なる暗記ではなく、深い理解と応用力が求められるため、面接官にとって重要な評価基準となります。
理系面接での評価ポイント
- 応募者の技術的知識の深さと広さ
- 論理的な思考能力
- コミュニケーション能力
- チームでの協働やプロジェクト管理能力
理系面接では、上記が評価されます。応募者の技術的知識の深さと広さ、加えてその知識を具体的な問題解決にどう応用するか、論理的な思考能力が重視されます。
さらに技術的な内容を分かりやすく説明できるか、質問に対して的確に答えられるかがコミュニケーション能力のポイントになります。これらの要素が総合的に評価され、適性やポテンシャルが判断されます。
2. よくある技術質問の例
分野問わず共通で聞かれる質問の型
”「失敗→成功」の過程 ”、結論これです。実際に技術面接を受けた感覚、分野や業界問わず聞かれました。具体的には質問とベストな回答の型は以下の通り。
Q. 研究を進めていく中で、苦労したポイントはありますか?またそれを乗り越えた方法を教えてください。
A. 私は研究を進めていく中で〇〇に苦労しました。具体的には・・・です。このような課題に対して私は〜〜に取り組みました。その結果・・・を実現しました。
〜〜の内容は、あなた自身が「失敗→成功」の過程 を乗り越えた「施策・改善策」を具体的に話すことがポイントです。
実際の解答例【バイオ編:リアルな私の回答です】
※ 専門的です。内容理解ではなく、型の一例として参考にしてください。
Q. 研究を進めていく中で、苦労したポイントはありますか?またそれを乗り越えた方法を教えてください。
A. 大変だったことは【想定する仮説を検証するための準備に時間を要したこと】です。具体的には、実験に必要なタンパク質の精製に1年を要しました。私は細胞内で相互作用が示唆されている2種のタンパク質をin vitro(試験管内)で再現するため、タンパク質精製に着手しました。はじめ大腸菌を宿主に用いた精製を試みましたが、異常タンパク質の凝集(封入体)となる場合が多く、培養温度など条件検討をしながら時間をかけて進める必要がありました。以上の問題を解決するため私は「効率の伴った作業」と「複数の施策」で研究を前進させようとしました。例えば、大腸菌の培養時間を利用し新規クローニングを行うことや、細胞を用いたタンパク質精製を並行して行うなどです。結果、細胞を用いたタンパク質精製が成功しました。以上のように複数の方法を同時に行うことで研究を前進させ、現実的に要する時間のギャップを埋めようと努力しました。
〜上記型の説明〜
結論
▽
課題
▽
実行した具体的な施策
▽
結果
簡単に解説すると私の場合、「実験に必要な材料作製につまずき、その改善として複数の施策を同時進行して効率性を高めて実験を行った」というような回答をしました。
分野別の質問例(例:機械工学、化学、情報技術など)
他にも技術面接では、分野に特化した質問がよく出されます。例えば、以下の通り。
機械工学の学生に対して
Q. 「この特定の機械の設計プロセスを説明してください」
Q. 「材料力学の基本原則を実際の設計にどう応用しますか?」
化学の学生に対して
Q. 「化学反応の平衡状態をどう計算しますか?」
Q. 「特定の反応速度を制御する方法を説明してください」
情報技術分野の学生に対して
Q. 「アルゴリズムの効率性をどう評価しますか?」
Q. 「特定のプログラミング言語での課題解決方法を説明してください」
バイオ系の学生に対して
Q. 「細胞を扱う際に気を付けていたこと?また工夫していた点は?」
Q. 「遺伝子を扱う際にはどのような手法を用いていましたか?」
これらの質問は、応募者の専門知識の深さと応用力を測るために行われます。
3. 技術質問に対する効果的な回答方法
回答の組み立て方(STAR法など)
技術質問に対する回答を組み立てる際には、STAR法(Situation, Task, Action, Result)を活用すると効果的です。
STAR法(Situation, Task, Action, Result)
- Situation(状況)
- Task(課題)
- Action(行動)
- Result(結果)
まず、Situation(状況)として、質問に関連する具体的な状況を説明します。次に、Task(課題)として、その状況で直面した具体的な課題や問題を明確にします。
続いて、Action(行動)として、課題解決のために取った具体的な行動やアプローチを詳細に説明します。最後に、Result(結果)として、その行動の結果として得られた成果や学びを示します。
例えば、機械工学の質問に対しては、「あるプロジェクトで、新しい機械の設計を担当しました(Situation)。この機械は特定の材料で高い強度を持つ必要がありました(Task)。材料選定と設計の最適化を行い、試作品を作成しました(Action)。その結果、設計目標を達成し、製品化に成功しました(Result)」といった具合に回答します。
実際の回答例
Q.「あなたが最も誇りに思うプロジェクトについて教えてください」
A. 「大学の最終年度に、持続可能なエネルギーシステムの開発プロジェクトに参加しました(Situation)。私の役割は、新しいバッテリーマネジメントシステムの設計でした(Task)。まず、既存のシステムを分析し、エネルギー効率を向上させるための新しいアルゴリズムを提案しました(Action)。その結果、エネルギー効率が20%向上し、プロジェクトは学内の技術コンペティションで優勝しました(Result)」。このように具体的なプロジェクトや成果を示すことで、面接官に自分の能力と経験を効果的に伝えることができます。
回答のポイントと注意点
- 具体性を持たせる
- 論理的な構成
以上2点を注意することがポイントです。まず抽象的な回答は回避し、具体的な事例やデータを使って説明することで面接官に実際の能力をアピールできます。
次に質問に対して順序立てて回答し、STAR法を活用して論理的に展開することで、分かりやすい説明、論理的な構成を意識しましょう。また、専門用語を適切に使いながらも、必要に応じて一般的な言葉で補足説明することで、面接官が理系以外の場合でも理解しやすい回答を心がけます。
さらに正直さを大切にし、自分の経験や知識に基づいて回答することも重要です。
4. 技術質問の準備方法
事前準備のステップ
- 専門分野に関する基礎知識を再確認
- 研究やプロジェクトに関する詳細な情報を整理
- 業界の最新トレンドや技術についても調査しておく
- よくある質問例に対する回答を準備し、練習
自身の基礎知識、研究に関する目的や使用機器・手法を確認することは大前提となります。
+α重要なのが “③ 業界の最新トレンドや技術についても調査しておく” です。自身が取り組む研究内容について以下のことを押さえておきましょう。
- 将来性
- その技術・研究に対するあなたの考え
- 志望する会社へどのように応用できるか
最後に、よくある質問例に対する回答を準備し、実際に声に出して練習します。これにより、本番でのスムーズな回答が可能となります。
模擬面接の活用
実際の面接シーンを想定した練習方法として非常に有効です。友人や家族、キャリアカウンセラーに協力してもらい、実際の面接形式で練習を行いましょう。
さらに、模擬面接を録画して、自分の話し方や態度を客観的に見直すことも効果的です。これにより、自己改善のポイントが明確になり、より良いパフォーマンスを目指せます。
他にも、自身が話す姿をスマホもしくはPCカメラで確認するのも有効な面接練習になります。
自己分析と自己PRの準備
技術質問の準備において、自己分析と自己PRの準備も欠かせません。自己分析では、自分の強みや弱み、これまでの経験や学びを振り返り、それを整理します。分析方法の材料は以下のものが挙げられます。
- スポーツ
- 学生生活(サークルや研究活動)
- アルバイト経験
- 留学
上記あなたの人生のイベントの中で自分がどのように技術的な課題を解決してきたか、どのような成果を上げてきたかを明確にしておくことが重要です。自己PRでは、自己分析で明らかになった強みや経験を基に、面接官にアピールするポイントを整理します。
具体的なエピソードやデータを用いて、自分の技術力や問題解決能力を効果的に伝える方法を考えます。これにより、面接で自信を持って自分をアピールできるようになります。
5. 面接での実践的なアドバイス
緊張対策とリラックス方法
人によって対策方法は異なると予想されますが、具体的な施策例は以下の通り。
- 深呼吸を行う
- 睡眠を十分にとる
- 友人とたわいもない話をする
- 一人になって好きなことをして落ち着く
- 面接前に軽いストレッチやウォーキングを行う
面接前日や当日はこれらを行えるように余裕を持って行動することも重要です。自信を持って臨むために、事前準備をしっかりと行い、面接内容をシミュレーションすることで、当日の緊張を和らげましょう。
面接官の視点を理解する
面接官の視点を理解することで、効果的な回答が可能になります。面接官は、応募者の専門知識だけでなく、問題解決能力やコミュニケーション能力、チームでの協働力なども評価しています。応募者が技術的な質問に対して的確かつ論理的に回答できるかどうかを見極めるために、面接官が何を重視しているかを理解することが重要です。
また、面接官の立場になって、自分の回答がどのように受け取られるかを考えながら話すことで、面接官に良い印象を与えることができます。
質問に対する柔軟な対応方法
面接では、予想外の質問が飛んでくることもあります。その際に柔軟に対応するためには、まず落ち着いて質問の意図を理解することが重要です。
わからない質問があれば、遠慮せずに具体的な意図を尋ねることも有効です。回答を急ぐ必要はなく、考える時間をもらい、自分の考えを整理してから答えることで、的確な回答ができます。
また、全く知らないことについては正直に答え、代わりに自分の関連する知識や経験をアピールすることで、ポジティブな印象を残すことができます。柔軟な対応力を示すことで、面接官に対して信頼性を高めることができます。
6. まとめ
重要なポイントの再確認
面接における技術質問対策の重要なポイントを再確認しましょう。まず、技術質問の目的を理解し、具体的な質問例とその背景を把握することが大切です。次に、STAR法を用いて論理的かつ具体的な回答を準備し、模擬面接を通じて実践的な練習を行いましょう。また、自己分析と自己PRをしっかりと行い、自分の強みや経験を明確にしておくことも重要です。これらのポイントを押さえることで、面接で自信を持って回答できるようになります。
面接成功に向けたアクションプラン
面接成功に向けた具体的なアクションプランを立てましょう。まず、面接日までのスケジュールを作成し、必要な準備を計画的に進めます。例えば、1週間前には基本的な知識の再確認と模擬面接の実施、2〜3日前には緊張対策のリハーサルを行います。また、面接当日は余裕を持って行動し、リラックスした状態で臨むことを心がけましょう。アクションプランを具体的に設定することで、計画的かつ効果的な準備が可能となります。